レを注《そゝ》がしめし恩惠《めぐみ》はいかに裕《ゆたか》なるかな 八二―八四
我見しに、かの光の奧には、遍《あまね》く宇宙に枚《ひら》となりて分れ散るもの集り合ひ、愛によりて一《ひとつ》の卷《まき》に綴《つゞ》られゐたり 八五―八七
實在、偶在、及びその特性相|混《まじ》れども、その混る状《さま》によりて、かのものはたゞ單一の光に外ならざるがごとくなりき 八八―九〇
萬物を齊《とゝの》へこれをかく結び合はすものをば我は自ら見たりと信ず、そはこれをいふ時我わが悦びのいよ/\さはなるを覺ゆればなり 九一―九三
たゞ一の瞬間《またゝくま》さへ、我にとりては、かのネッツーノをしてアルゴの影に驚かしめし企圖《くはだて》における二千五百年よりもなほ深き睡りなり 九四―九六
さてかくわが心は全く奪はれ、固く熟視《みつめ》て動かず移らず、かつ視るに從つていよ/\燃えたり 九七―九九
かの光にむかへば、人甘んじて身をこれにそむけつゝ他の物を見るをえざるにいたる 一〇〇―一〇二
これ意志の目的《めあて》なる善みなこのうちに集まり、この外《そと》にては、こゝにて完《まつた》き物も完からざるによりてなり 一〇
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