、喜曲または悲曲の作者もその題《テーマ》の難きに處してかく挫《くぢ》けしことはあらじ 二二―二四
そは日輪の、いと弱き視力におけるごとく、かのうるはしき微笑の記憶は、わが心より心その物を掠むればなり 二五―二七
この世にはじめて彼の顏を見し日より、かく視るにいたるまで、我たえず歌をもてこれにともなひたりしかど 二八―三〇
今は歌ひつゝその美を追ひてさらに進むことかなはずなりぬ、いかなる藝術の士も力盡くればまたかくの如し 三一―三三
さてかれは、かく我をしてわが喇叭《らつぱ》(こはその難き歌をはや終へんとす)よりなほ大いなる音にかれを委《ゆだ》ねしむるほどになりつゝ 三四―三六
敏《と》き導者に似たる動作《みぶり》と聲とをもて重ねていふ。われらは最《いと》大いなる體を出でゝ、純なる光の天に來れり 三七―三九
この光は智の光にて愛これに滿《み》ち、この愛は眞《まこと》の幸《さいはひ》の愛にて悦びこれに滿ち、この悦び一切の樂しみにまさる 四〇―四二
汝はこゝにて天堂の二隊《ふたて》の軍《いくさ》をともに見るべし、而《しか》してその一隊《ひとて》をば最後《をはり》の審判《さばき》の時汝に現はる
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