はゞ、われらの願ひは、われらをこゝと定むる者の意《こゝろ》に違ふ 七三―七五
もし愛の中にあることこゝにて肝要ならば、また汝もしよくこの愛の性《さが》を視《み》ば、汝はこれらの天にこの事あるをえざるを知らむ 七六―七八
げに常に神の聖意《みこゝろ》の中にとゞまり、これによりて我等の意《こゝろ》一となるは、これこの福《さいはひ》なる生の素《もと》なり 七九―八一
されば我等がこの王國の諸天に分れをる状《さま》は、王(我等の思ひを己が思ひに配《そ》はしむる)の心に適《かな》ふ如く全王國の心に適ふ 八二―八四
聖意《みこゝろ》はすなはちわれらの平和、その生み出だし自然の造る凡ての物の流れそゝぐ海ぞかし。 八五―八七
天のいづこも天堂にて、たゞかしこに至上の善の恩惠《めぐみ》の一樣に降《ふ》らざるのみなること是時我に明らかなりき 八八―九〇
されど人もし一の食物《くひもの》に飽き、なほ他に望む食物あれば、此を求めてしかして彼のために謝す 九一―九三
我も姿、詞《ことば》によりてまたかくの如くになしぬ、こは彼がいかなる機《はた》を織るにあたりて杼《ひ》を終りまで引かざりしやを彼より聞かんとてなり
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