より一の火出づ、こはいと福なる火にて、かしこに殘れる者一としてこれより燦《あざやか》なるはなかりき 一九―二一
この火歌ひつゝベアトリーチェの周邊《まはり》をめぐること三|度《たび》、その歌いと聖なりければ我今心に浮べんとすれども効《かひ》なし 二二―二四
是故にわが筆|跳越《をどりこ》えてこれを録《しる》さじ、われらの想像は、况《まし》て言葉は、かゝる襞※[#「ころもへん+責」、第3水準1−91−87]《ひだ》にとりて色|明《あかる》きに過ればなり 二五―二七
あゝかくうや/\しくわれらに請ふわが聖なる姉妹よ、汝の燃ゆる愛によりて汝は我をかの美しき球より解けり。 二八―三〇
かの福なる火は、止まりて後、息《いき》をわが淑女に向けつゝ、わがいへるごとく語れるなりき 三一―三三
この時淑女。あゝわれらの主がこの奇《く》しき悦びの鑰《かぎ》(下界に主の齎《もたら》し給ひし)を委《ゆだ》ね給へる丈夫《ますらを》の永遠《とこしへ》の光よ 三四―三六
嘗《かつ》て汝に海の上を歩ましめし信仰に就き、輕き重き種々《さま/″\》の事をもて、汝の好むごとく彼を試みよ 三七―三九
彼善く愛し善く望みかつ信
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