異なる種々の星あるは、月天の光の一樣ならざるに似たり、故にベアトリーチェは後者の事を説かんため例を前者にとれるなり
七〇―七二
しかるに恒星天の諸星は皆その與ふる影響の性質を異にす、知るべし光の異なる原因物體の粗密のみにあらざることを
【形式の原理】Principii formali 物の類別性と勢能とを構成するもの。複數を用ゐしは、たゞ一のみならざればなり
【一】同原理の一なる粗密
七三―七八
斑點もし體の粗なるにもとづくとせば、光の暗き處にては、(一)粗質月球を貫通するか、さらずば(二)粗と密と相重ならむ
【肉體】同一の肉體の中に脂肪と筋肉とあるごとく、月の中に、質の粗なる部分と密なる部分と層を成して相接すべし
【書】紙の重なりて書册となるを、層の重なりて月球となるにたとへしなり
七九―八一
粗質月球を貫通すとせば、日蝕の時、日光その部分を射貫き、世人の目に見ゆるにいたらむ
八五―八七
粗質月球を貫かずは、粗が密の爲に路を遮られて、さらに進む能はざるところ換言すれば粗終りて密始まるところ、即ち粗密相接するところあり
九一―九三
【奧深き】月面より反射せずして月球の内部より反射するがゆゑに、反射の光微かにして斑點爲に生ずと
一〇三―一〇五
中央にありて遠き鏡の反射する光は左右の鏡の反射する光よりその量劣れどこれと質を同うす、されば月球の内部より反射すともその光何ぞ斑點となりてあらはるゝにいたらむ
一〇六―一一一
汝の智既に謬見を去りその名殘をも止めざるにいたりたれば、我今汝にかの斑點の眞の原因を説示すべし
【下にある物】雪に蔽はれゐたる地、但し原語 suggetto を實體(雪の)と解する人あり
【色と冷さ】雪の。ベアトリーチェの言を日光に、ダンテの智を土に、謬見を土の假の色なる白色に、その結果を冷さにたとへしなり
【光】眞理の光
一一二―一一四
【天】エムピレオの天
【一の物體】プリーモ・モービレの天。この天に包まるゝ諸天及び地球がその秩序安寧を保つは、この天がエムピレオの天より受けて有する力による(『コンヴィヴィオ』二・一五・一二二以下參照)
一一五―一一七
恒星天はプリーモ・モービレより受けし力をその中にある(恒星天の中 あれどもこの天と同一ならずして種々の特性を有する)多くの星に傳ふ
【光】vedute 目に映ずる物。星
【本質】恒星。各※[#二の字点、
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