と聖なる平安を保つ天の中に一の物體のめぐるあり、これに包まるゝ凡《すべ》ての物の存在はみなこれが力に歸《き》す 一一二―一一四
その次にあたりてあまたの光ある天は、かの存在を頒ちて、これを己と分たるれども己の中に含まるゝさま/″\の本質に與へ 一一五―一一七
他の諸※[#二の字点、1−2−22]の天は、各※[#二の字点、1−2−22]異なる状《さま》により、その目的《めあて》と種《たね》とにむかひて、己が衷《うち》なる特性をとゝのふ 一一八―一二〇
かゝればこれらの宇宙の機關は、上より受けて下に及ぼし、次第を逐《お》ひて進むこと、今汝の知るごとし 一二一―一二三
汝よく我を視、汝の求むる眞理にむかひてわがこの處を過ぎ行くさまに心せよ、さらばこの後|獨《ひと》りにて淺瀬を渡るをうるにいたらむ 一二四―一二六
そも/\諸天の運行とその力とは、あたかも鍛工《かぢ》より鐡槌《つち》の技《わざ》のいづるごとく、諸※[#二の字点、1−2−22]のたふとき動者《うごかすもの》よりいでざるべからず 一二七―一二九
しかしてかのあまたの光に飾らるゝ天は、これをめぐらす奧深き心より印象《かた》を受けかつこれを捺《お》す 一三〇―一三二
また汝等の塵《ちり》の中なる魂がさま/″\の能力《ちから》に應じて異なる肢體《したい》にゆきわたるごとく 一三三―一三五
かの天を司《つかさど》るもの、またその徳をあまたにしてこれを諸※[#二の字点、1−2−22]の星に及ぼし、しかして自ら一《いつ》なることを保《たも》ちてめぐる 一三六―一三八
さま/″\の力その活《い》かす貴《たふと》き物體(力のこれと結びあふこと生命《いのち》の汝等におけるが如し)と合して造る混合物《まぜもの》一《いつ》ならじ 一三九―一四一
悦び多き性《さが》より流れ出づるがゆゑに、この混《まじ》れる力、物體の中に輝き、あたかも生くる瞳の中に悦びのかゞやくごとし 一四二―一四四
光と光の間にて異なりと見ゆるものゝ原因《もと》、げに是にして粗密にあらず、是ぞ即ち形式の原理 一四五―
己が徳に從つてかの明暗を生ずる物なる。 ―一五〇
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第三曲
さきに愛をもてわが胸をあたゝめし日輪、是《ぜ》と非《ひ》との證《あかし》をなして、美しき眞理のたへなる姿を我に示せり 一―三
されば我は、わがはや誤らず疑はざるを自白せん
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