》の路を歩みて汝等より少しく先に來れるのみ、その路のいと粗《あら》く且つ艱《かた》きに比《くら》ぶれば今よりこゝを登らんは唯|戲《たはぶれ》の如くなるべし。 六四―六六
わが呼吸《いき》によりて我のなほ生くるをしれる魂等はおどろきていたくあをざめぬ 六七―六九
しかしてたとへば報告《しらせ》をえんとて橄欖をもつ使者《つかひ》のもとに人々むらがり、その一人《ひとり》だに踏みあふことを避けざるごとく 七〇―七二
かの幸《さち》多き魂等はみなとゞまりてわが顏をまもり、あたかも行きて身を美しくするを忘るゝに似たりき 七三―七五
我はそのひとりの大いなる愛をあらはし我を抱かんとて進みいづるを見、心動きて自らしかなさんとせしに 七六―七八
あゝ姿のほか凡て空しき魂よ、三度《みたび》われ手をその後《うしろ》に組みしも、三度手はわが胸にかへれり 七九―八一
思ふに我は怪訝《あやしみ》の色に染まれるなるべし、かの魂笑ひて退き、我これを逐ひて前にすゝめば 八二―八四
しづかに我に止《や》めよといふ、この時我その誰なるをしり、しばらくとゞまりて我と語らんことを乞ふ 八五―八七
彼答ふらく。我先に朽つべき肉の
前へ
次へ
全396ページ中10ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ダンテ アリギエリ の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング