頬の床となすを見よ 一〇六―一〇八
彼等はフランスの禍ひの父と舅なり、彼等彼の邪《よこしま》にして穢れたる世を送れるを知りこれがためにかく憂ひに刺さる 一〇九―一一一
身かの如く肥ゆとみえ、かつかの鼻の雄々しき侶《とも》と節《ふし》をあはせて歌ふ者はその腰に萬の徳の紐を纏ひき 一一二―一一四
若し彼の後《うしろ》に坐せる若き者その王位を繼ぎてながらへたりせば、この徳まことに器《うつは》より器に傳はれるなるべし 一一五―一一七
但し他《ほか》の嗣子《よつぎ》についてはかくいひがたし、ヤーコモとフェデリーゴ今かの國を治む、いと善きものをばその一《ひとり》だに繼がざりき 一一八―一二〇
それ人の美徳は枝を傳ひて上《のぼ》ること稀なり、こはこれを與ふるもの、その己より出づるを知らしめんとてかく定めたまふによる 一二一―一二三
かの鼻の大いなる者も彼と倶にうたふピエルと同じくわがいへるところに適《かな》ふ、此故にプーリアもプロヴェンツァも今悲しみの中にあり 一二四―一二六
げにコスタンツァが今もその夫に誇ること遠くベアトリーチェ、マルゲリータの上に出づる如くに、樹は遠く種に及ばじ 一二七―一二九
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