ころを、げに今にいたるまで我かくあきらかにさとれることなし 七六―七八
さる學術にて赤道とよばれ、常に日と冬の間にありていと高くめぐる天の中帶は 七九―八一
汝の告ぐる理《ことわり》により、この處を北に距ること、希伯來人《エブレオびと》がこれをみしとき彼等を熱き地の方《かた》に距れるに等し 八二―八四
されど我等いづこまで行かざるをえざるや、汝ねがはくは我にしらせよ、山高くそびえてわが目及ぶあたはざればなり。 八五―八七
彼我に。はじめ常に艱しといへども人の登るに從つてその勞を少うするはこれこの山の自然なり 八八―九〇
此故に汝これをたのしみ、上《のぼ》るの易きことあたかも舟にて流れを追ふごときにいたれば 九一―九三
すなはちこの徑路《こみち》盡《つ》く、汝そこにて疲れを休むることをうべし、わが汝に答ふるは是のみ、しかして我この事の眞《まこと》なるを知る。 九四―九六
彼その言葉を終《を》へしとき、あたりに一の聲ありていふ。おそらくは汝それよりさきに坐せざるをえざるなるべし。 九七―九九
かくいふをききて我等各※[#二の字点、1−2−22]ふりかへり、左に一の大いなる石を見ぬ、こは我も
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