ほか》の幸の額にいかなる慰《なぐさめ》または益のあらはれて汝その前をはなれがたきにいたれるや。 二八―三〇
一のくるしき大息《といき》の後、我にほとんど答ふる聲なく、唇からうじてこれをつくれり 三一―三三
我泣きて曰ふ。汝の顏のかくるゝや、眼前《めのまへ》に在る物その僞りの快樂《けらく》をもてわが歩履《あゆみ》を曲げしなり 三四―三六
彼。汝たとひ默《もだ》しまたは今の汝の懺悔をいなみきとすとも汝の愆《とが》何ぞかくれ易からん、かのごとき士師《さばきづかさ》知りたまふ 三七―三九
されど罪を責むる言《ことば》犯せる者の口よりいづれば、我等の法廷《しらす》にて、輪はさかさまに刃《は》にむかひてめぐる 四〇―四二
しかはあれ汝今己が過ちを恥ぢ、この後シレーネの聲を聞くとも心を固うするをえんため 四三―四五
涙の種を棄てて耳をかたむけ、葬られたるわが肉の汝を異なる方にむかしむべかりし次第を聞くべし 四六―四八
さきに我を包みいま地にちらばる美しき身のごとく汝を喜ばせしものは、自然も技《わざ》も嘗て汝にあらはせることあらざりき 四九―五一
わが死によりてこのこよなき喜び汝に缺けしならんには、そ
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