むをえずしてこゝに記《しる》せり)の呼ばるゝを聞きてわれ身をめぐらせしとき、我はさきに天使の撒華《さんげ》におほはれて 五八―
我にあらはれしかの淑女が、さながら水軍《ふなて》の大將の、艫《とも》に立ち舳《へさき》に立ちつゝあまたの船に役《つか》はるゝ人々を見てこれをはげまし
よくその業《わざ》をなさしむるごとく、車の左の縁《ふち》にゐて、流れのこなたなる我に目をそそぐを見たり ―六六
ミネルヴァの木葉《このは》に卷かれし面※[#「巾+白」、第4水準2−8−83]《かほおほひ》その首《かうべ》より垂るゝがゆゑに、我さだかに彼を見るをえざりしかど 六七―六九
凛々《りゝ》しく、氣色《けしき》なほもおごそかに、あたかも語りつゝいと熱《あつ》き言《ことば》をばしばし控《ひか》ふる人の如く、彼續いていひけるは 七〇―七二
よく我を視よ、げに我は我はげにベアトリーチェなり、汝|如何《いか》してこの山に近づくことをえしや汝は人が福《さいはひ》をこゝに受くるを知らざりしや。 七三―七五
わが目は澄める泉に垂れぬ、されどそこに己が姿のうつれるをみて我これを草に移しぬ、恥いと重く額を壓《お》せしによりて
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