等のすべて待望む平安を指して請ふ 七三―七五
我等に山の斜《なゝめ》にて上りうべきところを告げよ、そは知ることいと大いなる者時を失ふを厭ふことまたいと大いなればなり。 七六―七八
たとへば羊の、一づつ二づつまたは三づつ圈《をり》をいで、殘れるものは臆してひくく目と口を垂れ 七九―八一
而して最初の者の爲す事をばこれに續く者皆傚ひて爲し、かの者止まれば、聲なく思慮《こゝろ》なくその何故なるをも知らで、これが邊《あたり》に押合ふ如く 八二―八四
我はこの時かの幸《さち》多き群《むれ》の先手《さきて》の、容端《かたち》正《たゞしく》歩履《あゆみ》優《いう》にこなたに進み來るをみたり 八五―八七
さきに立つ者、わが右にあたりて光地に碎け、わが影岩に及べるをみ 八八―九〇
とゞまりて少しく後方《うしろ》に退《すさ》れば、續いて來れる者は故をしらねどみなかくなせり 九一―九三
汝等問はざるも我まづ告げむ、汝等の見るものはこれ人の體《からだ》なり、此故に日の光地上に裂く 九四―九六
あやしむなかれ、信ぜよ、天より來る威能《ちから》によらで彼この壁に攀《よ》ぢんとするにあらざるを。 九七―九九
師斯く
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