かなる恩惠《めぐみ》ぞやといふ 四〇―四二
我何ぞ顏を見て彼の誰なるを知るをえむ、されどその姿の毀てるものその聲にあらはれき 四三―四五
この火花はかの變れる貌《かたち》にかゝはるわが凡ての記憶を燃やし、我はフォレーゼの顏をみとめぬ 四六―四八
彼請ひていふ。あゝ、乾ける痂《かさぶた》わが膚《はだ》の色を奪ひ、またわが肉乏しとも、汝これに心をとめず 四九―五一
故に汝の身の上と汝を導くかしこの二の魂の誰なるやを告げよ、我に物言ふを否むなかれ。 五二―五四
我答へて彼に曰ふ。死《しに》てさきに我に涙を流さしめし汝の顏は、かく變りて見ゆるため、かの時に劣らぬ憂ひを今我に與へて泣かしむ 五五―五七
然《され》ば告げよ、われ神を指《さ》して請ふ、汝等をかく枯《か》らす物は何ぞや、わが異《あやし》む間我に言《い》はしむる勿れ、心に他《ほか》の思ひ滿つればその人いふ事|宜《よろ》しきをえず。 五八―六〇
彼我に。永遠《とこしへ》の思量《はからひ》によりて我等の後方《うしろ》なるかの水の中樹の中に力くだる、わがかく痩するもこれがためなり 六一―六三
己が食慾に耽れるため泣きつゝ歌ふこの民はみな饑ゑ渇
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