ヨに欺かれて禁斷の果を食べるエヴァ(淨、二九・二三以下參照)
三七―三九
【アダモ】エヴァに勸められて神命に背けるアダムの罪(創世記、三・六以下)を責め且つそのためになげくなり
【一本の木】善惡を知るの木(創世記、二・九)。神この木を樂園に生ぜしめ且つその果實を採るを禁じて人の服從を求めたまひしものなればこゝには服從の象徴として人類の罪及びキリストの救ひをあらはせるなるべし、但し異説多し、今多く古註によれり
【花も葉もなき】神の律法がその積極的效果を失へるをいふ
ブーチ曰。人かく神の命に背きてその恩寵を失へるがゆゑに能く善を行ひて以て聖旨を和ぐるをえず、キリスト來臨したまふに及びその從順の徳によりて神人はじめて融和すと
四〇―四二
【髮】枝。從順の徳は神に近づくに從つて増すなり
【インド人】インドの森には亭々たる巨木ありて矢もその頂に達せずといふことウェルギリウスの『ゼオルジカ』二・一二二以下にいづ
四三―四五
アダムの罪を責むると同時にキリストの從順を讚めしなり
四六―四八
【すべての義の】ブーチ曰。慢心は衆惡の母、謙讓は諸徳の本なり、しかして謙讓はたゞ從順によりて保たると
四九―五一
グリフォネがかの大樹の枝をもて凱旋車の轍をその幹に結べるは、キリストが從順の例を示して寺院にこの徳を教へしことをあらはす
【その小枝をもて】或ひは quel di lei を「それ(かの木)にて作れるもの(即ち轍、轍を十字架の表章と見做し、キリストの十字架は知識の木にて作られたりとの傳説によれり)を」と解する人あり
五二―五四
春來れば地上の植物(その芽を出し)
【大いなる光】太陽の光
【天上の魚】雙魚宮の星。その後に輝くは白羊宮の星なり(地、一一・一一二―四註參照)、こゝには春太陽の光が白羊宮の星の光とまじりて地上に降るときをいふ
原語 lasca は淡水に住む魚の一種
五五―五七
【日が】太陽白羊宮の後《うしろ》なる金牛宮に移りてその日毎の※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]轉を續けざるまに。太陽の金牛宮に入るは四月の下旬なり
五八―六〇
キリストの模範によりて寺院從順の徳を傳へ、神の律法その失へる效果を克復するにいたりしこと
【薔薇より】薔薇と菫の中間の色、但しその何色なるや(ムーアは、薔薇の如く赤からざれども菫よりは赤勝てる意なるべしといへり)將又これに特殊の寓意あり
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