いよ/\赤く見えしめ、また多くの魂のかゝる表徴《しるし》にのみ心をとめつゝ行くを見たり 七―九
彼等のわが事を語るにいたれるもこれが爲なりき、かれらまづ、彼は虚《むな》しき身のごとくならずといふ 一〇―一二
かくていくたりか、燒かれざる處に出でじとたえず心を用ゐつゝ、その進むをうるかぎりわが方《かた》に來れる者ありき 一三―一五
あゝ汝おそき歩履《あゆみ》のためならずして恐らくは敬《うやまひ》のために侶のあとより行く者よ、渇《かわき》と火に燃ゆる我に答へよ 一六―一八
汝の答を求むる者我獨りに非ず、此等の者皆これに渇く、そのはげしきに比《くら》ぶればインド人《びと》又はエチオピア人の冷《つめた》き水にかわくも及ばじ 一九―二一
請ふ我等に告げよ、汝未だ死の網《あみ》の中に入らざるごとく、身を壁として日を遮《さへぎ》るはいかにぞや。 二二―二四
その一《ひとり》斯く我にいへり、また若しこの時新しき物現はれて心をひくことなかりせば、我は既にわが身の上をあかせしなるべし 二五―二七
されどこの時顏をこの民にむけ燃ゆる路の正中《たゞなか》をあゆみて來る民ありければ、我は彼等をみんとて詞をとゞめぬ 二八―三〇
我見るにかなたこなたの魂みないそぎ、たがひに接吻《くちづけ》すれども短き會釋《ゑしやく》をもて足れりとして止まらず 三一―三三
あたかも蟻がその黒める群《むれ》の中にてたがひに口を觸れしむる(こはその路と幸《さち》とを探《さぐ》るためなるべし)に似たり 三四―三六
したしみの會釋をはれば、未だ一歩も進まざるまに、いづれも競うてその聲を高くし 三七―三九
新しき群《むれ》は、ソッドマ、ゴモルラといひ、殘りの群は、牡牛をさそひて己の慾を遂げんためパシフェの牝牛の中に入るといふ 四〇―四二
かくてたとへば群鶴《むらづる》の、一部はリフエの連山《やま/\》にむかひ、また一部は砂地《すなぢ》にむかひ、此《これ》氷を彼《かれ》日を厭ひて飛ぶごとく 四三―四五
民の一|群《むれ》かなたにゆき、一群こなたに來り、みな泣きつゝ、さきにうたへる歌と、彼等にいとふさはしき叫びに歸れり 四六―四八
また我に請へるかの魂等は、聽くの願ひをその姿にあらはしつゝ前の如く我に近づきぬ 四九―五一
我斯く再び彼等の望みを見ていひけるは。あゝいつか必ず平安を享くる魂等よ 五二―五四
熟《う》めるも熟まざる
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