る罪を一|滴《しづく》また一滴、目より注ぎいだす民、あまりに縁《ふち》近くゐたればなり 七―九
禍ひなるかな汝年へし牝の狼よ、汝ははてしなき饑《う》ゑのために獲物《えもの》をとらふること凡ての獸の上にいづ 一〇―一二
あゝ天よ(人或ひは下界の推移を汝の運行に歸するに似たり)、これを逐ふ者いつか來らむ 一三―一五
我等はおそくしづかに歩めり、我は魂等のいたはしく歎き憂ふる聲をききつゝこれに心をとめゐたるに 一六―一八
ふと我等の前に、産《うみ》にくるしむ女のごとく悲しくさけぶ聲きこえて、うるはしきマリアよといひ 一九―二一
續いてまた、汝の貧しかりしことは汝が汝の聖なる嬰兒《をさなご》を臥さしめしかの客舍にあらはるといひ 二二―二四
また次に、あゝ善きファーブリツィオよ、汝は不義と大いなる富を得んより貧と徳をえんと思へりといふ 二五―二七
これらの詞よくわが心に適《かな》ひたれば、我はかくいへりとみゆる靈の事をしらんとてなほさきに進めるに 二八―三〇
彼はまたニッコロが小女《をとめ》等の若き生命《いのち》を導きて貞淑《みさを》に到らしめんため彼等にをしまず物を施せしことをかたれり 三一―三三
我曰ふ。あゝかく大いなる善を語る魂よ、汝は誰なりしや、何ぞたゞひとりこれらの讚《ほ》むべきわざを新たに陳ぶるや、請ふ告げよ 三四―三六
果《はて》をめざして飛びゆく生命《いのち》の短き旅を終へんためわれ世に歸らば、汝の詞|報酬《むくい》をえざることあらじ。 三七―三九
彼。我はかしこに慰《なぐさめ》をうるを望まざれども、かく大いなる恩惠《めぐみ》いまだ死せざる汝の中に輝くによりてこれを告ぐべし 四〇―四二
一の惡しき木その蔭をもてすべてのクリスト數國をおほひ、良果《よきみ》これより採らるゝこと罕《まれ》なり、そも/\我はかの木の根なりき 四三―四五
されどドアジォ、リルラ、ガンド、及びブルーゼスの力足りなば報《むくい》速かにこれに臨まむ、我また萬物を裁《さば》き給ふ者にこの報を乞ひ求む 四六―四八
我は世に名をウーゴ・チャペッタといへり、多くのフィリッピとルイージ我よりいでて近代《ちかきよ》のフランスを治む 五二―五四
我は巴里《パリージ》のとある屠戸《にくや》の子なりき、昔の王達はやみな薨《かく》れて、灰色の衣を着る者獨り殘れるのみなりし頃 五二―五四
我は王國の統御の手綱のか
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