投ぐる者よ 四六―四八
その姿に詐りなくば汝はヴェネディーコ・カッチヤネミーコなり、汝を導いてこの辛《から》きサルセに下せるものは何ぞや 四九―五一
彼我に、語るも本意《ほい》なし、されど明かなる汝の言《ことば》我に昔の世をしのばしめ我を強ふ 五二―五四
我は侯《マルケーゼ》の心に從はしめんとてギソラベルラをいざなひし者なりき(この不徳の物語いかに世に傳へらるとも) 五五―五七
さてまたこゝに歎くボローニア人《びと》は我身のみかは、彼等この處に滿つれば、今サヴェーナとレーノの間に 五八―六〇
シパといひならふ舌もなほその數これに及びがたし、若しこの事の徴《しるし》、證《あかし》をほしと思はゞたゞ慾深き我等の胸を思ひいづべし 六一―六三
かく語れる時一の鬼その鞭をあげてこれを打ちいひけるは、去れ判人《ぜげん》、こゝには騙《たら》すべき女なし 六四―六六
我わが導者にともなへり、かくて數歩にして我等は一の石橋の岸より出でし處にいたり 六七―六九
いとやすく之に上《のぼ》りて破岩をわたり右にむかひ此等の永久《とこしへ》の圈を離れき 七〇―七二
橋下空しくひらけて打たるゝ者に路をえさするところ
前へ
次へ
全374ページ中96ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ダンテ アリギエリ の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング