ひ》と呼ばる、貪り嫉み傲《たかぶり》の民なり、汝自ら清くしてその習俗《ならひ》に染むなかれ 六七―六九
汝の命運大いなる譽を汝のために備ふるにより彼黨此黨いづれも飢ゑて汝を求めむ、されど草は山羊より遠かるべし 七〇―七二
フィエソレの獸等に己をその敷藁《しきわら》となさせ、若し草木のなほその糞《ふん》の中より出づるあらばこれに觸れしむるなかれ 七三―七五
この處かく大いなる邪惡の巣となりし時こゝに殘れるローマ人《びと》の聖き裔《すゑ》これによりて再び生くべし 七六―七八
我答へて彼に曰ふ、若しわが願ひ凡て成るをえたらんには汝は未だ人の象《かたち》より逐はるゝことなかりしものを 七九―八一
そは世にありて我にしば/\人不朽に入るの道を教へたまひし當時の慕はしき善きあたゝかきおも影はわが記憶を離るゝことなく 八二―
今わが胸にせまればなり、われこの教へを徳とするいかばかりぞや、こは生ある間わが語ることによりてあきらかなるべし ―八七
わが行末に關《かゝ》はりて汝の我に告ぐる所は我之を録《しる》し他《ほか》の文字と共に殘し置くべし、かくして淑女のわがそのもとにいたるに及びて 八八―
知りて義
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