見るをうべし、されどこの濠《ほり》の外《そと》、罪悔によりて除かれし時魂等己を洗はんとて行く處にあり 一三六―一三八
又曰ひけるは、いまは森を離るべき時なり、汝我に從へ、燃えざる縁《ふち》路を造り 一三九―一四一
一切の炎その上に消ゆ 一四二―一四四
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   第十五曲

堅き縁《ふち》の一は今我等を負《お》ひゆけり、小川の烟はおほひかゝりて水と堤とを火より救へり 一―三
グイッツァンテとブルッジアの間なるフィアンドラ人《びと》こなたに寄せくる潮《うしほ》を恐れ海を走らしめんため水際《みぎは》をかため 四―六
またはブレンタの邊《ほとり》なるパードヴァ人キアレンターナの熱に觸れざる間にその邑《まち》その城を護らんためまたしかするごとく 七―九
この堤は築かれき、たゞ築けるもの(誰にてもあれ)之をかく高くかく厚くなさゞりしのみ 一〇―一二
我等既に林を離るゝこと遠くわれ後《うしろ》を顧みれどもそのいづこにあるやを見るをえざりしころ 一三―一五
我等は堤に沿ひて來れる一群《ひとむれ》の魂にいであへり、さながら夕間暮れ新月《にひづき》のもとに人の人を見る如く 一六―
彼等みな我
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