インドの熱き處にて焔その士卒の上に落ち地にいたるも消えざるをみ 三一―三三
火はその孤なるにあたりて消し易かりしが故に部下に地を踏ましめしことありき 三四―三六
かくの如く苦患《なやみ》を増さんとて永遠《とこしへ》の熱おちくだり、砂の燃ゆることあたかも火打鎌の下なる火口《ほくち》にひとしく 三七―三九
忽ちかなたに忽ちこなたに新《あらた》なる焔をはらふ幸《さち》なき雙手《もろて》の亂舞《トレスカ》にはしばしの休みもあることなかりき 四〇―四二
我曰ふ、門の入口にて我等にたちむかへる頑《かたくな》なる鬼のほか物として勝たざるはなき汝わが師よ 四三―四五
火をも心にとめざるさまなるかの大いなる者は誰なりや、嘲りを帶び顏をゆがめて臥し、雨もこれを熟《う》ましめじと見ゆ 四六―四八
われ彼の事をわが導者に問へるをしりて彼叫びていひけるは、死せる我生ける我にかはらじ 四九―五一
たとひジョーヴェ終りの日にわが撃たれたる鋭き電光《いなづま》を怒れる彼にとらせし鍛工《かぢ》を疲らせ 五二―五四
またはフレーグラの戰ひの時の如くに、善きヴルカーノよ、助けよ、助けよとよばはりつゝモンジベルロなる黒き鍛工
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