ざればなり 八二―八四
此故に彼又曰ひけるは、獄裏の魂よ、願はくは此人ねんごろに汝のために汝の言《ことば》の乞求むるものをなさんことを、請ふ更に 八五―八七
我等に告げて魂此等の節《ふし》の中に繋がるゝに至る状《さま》をいへ、又若しかなはゞそのかゝる體《からだ》より解放たるゝ事ありや否やをもいへ 八八―九〇
この時幹はげしく氣を吐けり、この風《かぜ》聲に變りていふ、約《つゞま》やかに汝等に答へん 九一―九三
殘忍なる魂己を身よりひき放ちて去ることあればミノスこれを第七の口におくり 九四―九六
このもの林の中に落つ、されど定まれる處なく、たゞ命運の投入るゝ處にいたりて芽《めざ》すこと一粒の麥の如く 九七―九九
若枝《わかえ》となり後野生の木となる、アルピーエその葉を食みてこれに痛みを與へまた痛みに窓を與ふ、我等はほかの者と等しく 一〇〇―
我等の衣の爲めに行くべし、されど再びこれを着る者あるによるに非ず、そは人自ら棄てし物をうくるは正しき事に非ざればなり ―一〇五
我等これをこゝに曳き來らむ、かくて我等の體《からだ》はこの憂き林、いづれも己を虐げし魂の荊棘《いばら》の上に懸けらるべし 一
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