二一―一二三
斯くこの血次第に淺くなりゆきて、遂にはたゞ足を燒くのみ、我等の濠を渉るところはすなはちこゝなりき 一二四―一二六
チェンタウロいふ、こなたにては煮ゆる血汐のたえず減《へ》ること汝見る如し、またこれに應じ 一二七―一二九
かなたにては暴虐《しひたげ》の呻吟《うめ》く處と再び合ふにいたるまで水底《みなそこ》次第に深くなりまさるを汝信ずべし 一三〇―一三二
神の義こゝに地の笞《しもと》なりしアッティラとピルロ、セストを刺し、また大路《おほぢ》をいたくさわがしし 一三三―
リニエール・ダ・コルネート、リニエール・パッツオを煮、その涙をしぼりて永遠《とこしへ》にいたる ―一三八
かくいひて身をめぐらし、再びこの淺瀬を渉れり 一三九―一四一
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第十三曲
ネッソ未だかなたに着かざるに我等は道の跡もなき一の森をわけて進めり 一―三
木の葉は色|黯《くろず》みて緑なるなく、枝は節だちくねりて直く滑かなるなく、毒をふくむ刺《とげ》ありて實なし 四―六
チェチーナとコルネートの間なる耕せる處を嫌ふ猛き獸の栖《すみか》にもかくあらびかくしげれる※[#「くさかんむり/翳」、
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