七三―七五
我等は此等の疾《と》き獸に近づけり、キロン矢を取り、※[#「弓+肖」、78−1]《はず》にて鬚を腮《あぎと》によせて 七六―七八
大いなる口を露はし、侶《とも》に曰ひけるは、汝等見たりや、かの後《あと》なる者觸るればすなはち物の動くを 七九―八一
死者の足にはかゝることなし、わが善き導者この時既に二の象《かたち》結び合へる彼の胸ちかくたち 八二―八四
答へて曰ひけるは、誠に彼は生く、しかもかく獨りなるにより、我彼にこの暗闇の溪をみせしむ、彼を導く者は必須なり娯樂にあらず 八五―八七
ひとりのものアレルヤの歌をはなれてこの新しき任務《つとめ》を我に委ねしなり、彼盜人にあらず、我また盜人の魂にあらず 八八―九〇
さればかく荒れし路を傳ひて我に歩みを進ましむる權威《ちから》によりこゝに我汝に請ふ、群のひとりを我等にえさせよ、我等その傍《かたへ》にしたがひ 九一―九三
彼は我等に渉るべき處ををしへ、また空ゆく靈にあらねばこの者をその背に負ふべし 九四―九六
キロン右にむかひネッソにいひけるは、歸りてかく彼等を導け、もしほかの群《むれ》にあはゞそれに路を避けしめよ 九七―九九
我等は
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