を苛責する神の復讎の怒りかへつて輕きやを見るをえん 八八―九〇
我曰ふ、あゝ一切のみだるゝ視力を癒す太陽よ、汝解くにしたがひて我心をたらはすが故に、疑ひの我を喜ばすこと知るにおとらじ 九一―
請ふなほ少しく溯りて、高利を貪るは神恩にさからふものなりとの汝の言に及び、その纈《むすび》を解け ―九六
彼我に曰ふ、哲理はこれを究むる者に自然が神の智とその技《わざ》よりいづるを處々に示せり 九七―
汝また善く汝の理學を閲《けみ》せば、いまだ幾葉ならざるに汝等の技《わざ》のつとめて
自然に從ふこと弟子のその師における如く、汝等の技は神の孫なりともいひうべきを見ん ―一〇五
人みな生の道をこの二のものに求め、しかして進むべきなり、汝『創世記』の始めにこの事あるを思ひ出づべし 一〇六―一〇八
しかるに高利を貪るものは、これと異なる道を踏みて望みを他《ほか》に置き、自然とその從者をかろんず 一〇九―一一一
されどいざ我に從へ、われ行くをねがへばなり、雙魚天涯に煌《きら》めき、北斗全くコーロの上にあり 一一二―一一四
しかもくだるべき斷崖《きりぎし》なほこゝより遠し 一一五―一一七
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