lに對する怒り
五八―六〇
包圍十年に亙りてトロイアの城未だ落ちざりければギリシア軍オデュセウスの謀により山の如く巨大なる一の木馬を作りてその中に多くの勇士をひそましめ自餘の士卒は悉く海に浮びて附近の島影にかくれ恰も事の成らざるをしりて全軍本國に引返すものゝ如く裝ひまた殘せる木馬はアテナへの捧物なりとのことを敵地に流布せしむ、トロイア軍欺かれてこれを城内にひきいる、夜に入りてその中なる將士一齊にあらはれいで城門を内よりひらき既に城外に待ちゐたるギリシア軍を迎へ火を放つて城を燒きトロイアこゝに陷落す(『アエネイス』二・一三以下)
【門を作り】木馬城に入りアエネアス、城より出でしを門を作るといへるなり
【祖先】アエネアス(地、二・二〇―二一參照)、木馬のために城陷りて後イタリアにゆけり
六一―六三
【デイダーミア】ディダメイア。スキュロス島の王リコメデスの女
アキレウスの母テチスわが子がギリシア軍に加はりてトロイアに赴く事あらんを恐れこれを女裝せしめてリコメデスに托し置きたりしにオデュセウス商人に姿を變へディオメデスと共にスキュロスにわたり武器を示してアキレウスを試み遂に誘ひてトロイアに向
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