Aモモの汁を食む、その世を經ること五百年にいたれば爪とゆがめる嘴とをもて青樫の枝またはそよめく棕櫚の梢に巣を作り、そが中には桂枝、甘松の穗、碎ける肉桂、黄なる沒藥を撒散らし此事果れば直ちにこゝに横たはり香氣に包まれてその生を終ふ、聞くならくフェニィクスの雛母體よりいで齡を重ぬるはじめの如しと
一〇九―一一一
【アモモ】木の名、種子より香料を得
一一二―一一七
【鬼の力】マルコ、一・二六、ルカ、四・三五等參照
【塞にさへられ】癲癇の類、體内生氣の通路塞がり官能その作用を失ひて倒るゝものと見做されしなり
一一八―一二〇
異本、神の威力(異本、正義)よ汝はいかに誠なるかを
一二一―一二三
【我】ヴァンニ・フッチ、ピストイア(フィレンツェの西北約廿哩)市の名族フッチオ・ディ・ラッツァーリの庶子、黒黨に屬せり
【往日】約五年前、ヴァンニの處刊せられしは一二九五年なり
【喉】嚢
一二四―一三二
【騾馬】イタリア語 mulo にはまた私生兒の義あればなり
【ピストイア】罪惡の邑(地、二五・一〇以下參照)
【血と怒りの人】即ち第七の地獄に罰せらるべき
ヴァンニ・フッチはフィレンツェの軍に加はりてピサ人
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