たくとらへよ、我等はかゝる段《きだ》によりてかゝる大いなる惡を離れざるをえず 八二―八四
かくて後彼とある岩の孔《あな》をいで、我をその縁《ふち》にすわらせ、さて心して足をわが方《かた》に移せり 八五―八七
我はもとのまゝなるルチーフェロをみるならんとおもひて目を擧げて見たりしにその脛上にありき 八八―九〇
わが此時の心の惑ひはわが過ぎし處の何なるやを辨《わきま》へざる愚なる人々ならではしりがたし 九一―九三
師曰ふ、起きよ、路遠く道程《みちすぢ》艱《かた》し、また日は既に第三時の半に歸れり 九四―九六
我等の居りし處は御館《みたち》の廣間《ひろま》にあらず床《ゆか》粗《あら》く光乏しき天然の獄舍《ひとや》なりき 九七―九九
我立ちて曰ひけるは、師よ、わがこの淵を去らざるさきに少しく我に語りて我を迷ひの中よりひきいだしたまへ 一〇〇―一〇二
氷はいづこにありや、この者いかなればかくさかさまに立つや、何によりてたゞしばしのまに日は夕《ゆふ》より朝に移れる 一〇三―一〇五
彼我に、汝はいまなほ地心のかなた、わがさきに世界を貫くよからぬ蟲の毛をとらへし處にありとおもへり 一〇六―一〇八
汝の
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