ことあるをいへり、曰く、靈鳥《フエニーチエ》はその齡《よはひ》五百年に近づきて死し、後再び生る 一〇六―一〇八
この鳥世にあるや、草をも麥をも食《は》まず、たゞ薫物《たきもの》の涙とアモモとを食む、また甘松と沒藥《もつやく》とはその最後の壽衣《じゆい》となると 一〇九―一一一
人或ひは鬼の力によりて地にひかれ、或ひは塞《ふさぎ》にさへられて倒れ、やがて身を起せども、おのがたふれし次第をしらねば 一一二―
うけし大いなる苦しみのためいたくまどひて目をうちひらき、あたりを見つゝ歎くことあり ―一一七
起き上れる罪人《つみびと》のさままた斯くの如くなりき、あゝ仇を報いんとてかくはげしく打懲す神の威力《ちから》はいかにきびしきかな 一一八―一二〇
導者この時彼にその誰なるやを問へるに、答へて曰ひけるは、我は往日《さきつひ》トスカーナよりこのおそろしき喉の中に降《ふ》り下れる者なり 一二一―一二三
我は騾馬なりければまたこれに傚ひて人にはあらで獸の如く世をおくるを好めり、我はヴァンニ・フッチといふ獸なり、しかして 一二四―
ピストイアは我に應《ふさは》しき岩窟《いはあな》なりき、われ導者に、彼に
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