されどいざ來れ、カイーノと茨《いばら》は既に兩半球の境を占め、ソビリアのかなたの波に觸る 一二四―一二六
昨夜既に月は圓かりき、こは低き林の中にてしば/\汝に益をえさせしものなれば汝いかでか忘るべき 一二七―一二九
かく彼我に語り、語る間も我等は歩めり 一三〇―一三二
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   第二十一曲

このほかわが喜曲《コメディア》の歌ふを好まざる事どもかたりつゝ、かく橋より橋にゆき、頂《いたゞき》にいたるにおよびて 一―三
我等はマーレボルジェなる次の罅裂《われめ》と次の空しき歎きを見んとてとゞまれり、我見しにこの處あやしく暗かりき 四―六
たとへば冬の日ヴェネーツィア人の船廠《アールセーナ》に、健《すこや》かならぬ船を塗替へんとて、粘《ねば》き脂《やに》煮ゆるごとく 七―九
(こは彼等海に浮ぶをえざるによる、すなはち之に代へてひとりは新《あらた》に船を造り、ひとりはあまたの旅をかさねし船の側《わき》を塞ぎ 一〇―一二
ひとりは舳《へさき》ひとりは艫《とも》に釘うち、彼櫂を造り是綱を縒《よ》り、ひとりは大小の帆を繕《つくら》ふ) 一三―一五
下には濃き脂《やに》火によらず神の
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