てサルダナパロの來れることもあらざりき 一〇六―一〇八
まだその頃は汝等のウッチェルラトイオもモンテマーロにまさらざりき――今その榮《さかえ》のまさるごとく、この後|衰《おとろへ》もまたまさらむ 一〇九―一一一
我はベルリンチオーン・ベルティが革紐《かわひも》と骨との帶を卷きて出で、またその妻が假粧《けさう》せずして鏡を離れ來るを見たり 一一二―一一四
またネルリの家長《いへをさ》とヴェッキオの家長《いへをさ》とが皮のみの衣をもて、その妻等が紡錘《つむ》と麻とをもて、心に足《た》れりとするを見たり 一一五―一一七
あゝ幸《さち》多き女等よ、彼等は一人だにその墓につきて恐れず、また未だフランスの故によりて獨《ひと》り臥床《ふしど》に殘されず 一一八―一二〇
ひとりは目を醒《さめ》しゐて搖籃《ゆりかご》を守り、またあやしつゝ、父母《ちゝはゝ》の心をばまづ樂します言《ことば》を用ゐ 一二一―一二三
ひとりは絲を紡《つむ》ぎつゝ、わが家《や》の人々と、トロイア人《びと》、フィエソレ、ローマの物語などなしき、チアンゲルラや 一二四―
ラーポ・サルテレルロの如き者その頃ありしならんには、チンチンナ
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