こと必ずや汝にあきらかならむ 一〇九―一一一
されどこの輪の周圍《まはり》のいと高きところの殘しゝ轍《あと》を人かへりみず、良酒《よきさけ》のありしところに黴《かび》生ず 一一二―一一四
彼の足跡《あしあと》を踏み傳ひて直く進みしかれの家族《やから》は全くその方向《むき》を變へ、指を踵《かゝと》の方に投ぐ 一一五―一一七
しかしてかくあしく耕すことのいかなる收穫《かりいれ》に終るやは、程なく知られむ、その時至らば莠《はぐさ》は穀倉《くら》を奪はるゝをかこつべければなり 一一八―一二〇
しかはあれ、人もしわれらの書《ふみ》を一枚《ひとひら》また一枚としらべなば、我はありし昔のまゝなりと録《しる》さるゝ紙の今|猶《なほ》あるを見む 一二一―一二三
されどこはカザールまたはアクアスパルタよりならじ、かしこより來りてかの文書《かきもの》に係《たづさ》はる者或ひはこれを避け或ひはこれを縮《ちゞ》む 一二四―一二六
さて我はボナヴェントゥラ・ダ・バーニオレジオの生命《いのち》なり、大いなる職務《つとめ》を果さんためわれ常に世の心勞《こゝろづかひ》を後《あと》にせり 一二七―一二九
イルルミナートと
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