[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]轉《めぐり》を一にし、渇《かわき》を一にしてまはる、汝|嘗《かつ》て世にて彼等にいひけらく 三四―三六
汝等|了知《さとり》をもて第三の天を動かす者よと、愛我等に滿つるが故に、汝の心に適《かな》はせんとて少時《しばらく》しづまるとも我等の悦び減《へ》ることあらじ。 三七―三九
われ目をうや/\しくわが淑女にそゝぎ、その思ひを定《さだ》かに知りてわが心を安んじゝ後 四〇―四二
再びこれをかの光――かく大いなることを約しゝ――にむかはせ、切《せつ》なる情を言葉にこめつゝ汝等は誰なりや告げよといへり 四三―四五
われ語れる時、新たなる喜び己が喜びに加はれるため、かの光が、その量と質とにおいて、優《まさ》りしことげにいかばかりぞや 四六―四八
さてかく變りて我に曰ふ。世はたゞしばし我を宿《やど》しき、もし時さらに長かりせば、來るべき多くの禍ひは避けられしものを 四九―五一
わが身のまはりに輝き出づるわが喜びは我を汝の目に見えざらしめ、我を隱してあたかも己が絹に卷かるゝ蟲の如くす 五二―五四
汝深く我を愛しき、是また宜《うべ》なり、我もし下界に長生《ながら
前へ 次へ
全484ページ中48ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
山川 丙三郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング