》にあはせてめぐりつゝ、かく歌ふと見えたりき 四―六
しかしてこれもその他の者もみなまた舞ひいで、さていとはやき火花の如く、忽ちへだゝりてわが目にかくれぬ 七―九
われ疑ひをいだき、心の中にいひけるは。いへ、いへ、わが淑女にいへ、彼甘き雫《しづく》をもてわが渇《かわき》をとゞむるなれば。 一〇―一二
されどたゞ「ベ」と「イーチェ」のみにて我を統治《すべをさ》むる敬《うやまひ》我をして睡りに就く人の如く再びわが頭《かうべ》を垂れしむ 一三―一五
ベアトリーチェはたゞ少時《しばし》我をかくあらしめし後、火の中にさへ人を福《さいはひ》ならしむる微笑《ほゝゑみ》をもて我を照らしていひけるは 一六―一八
わが量《はか》るところ(こは謬《あやま》ることあらじ)によれば、汝思へらく、正しき罰いかにして正しく罰せらるゝをうるやと 一九―二一
されど我は速に汝の心を釋放《ときはな》つべし、いざ耳を傾けよ、そはわが詞《ことば》、大いなる教へを汝にさづくべければなり 二二―二四
それかの生れしにあらざる人は、己が益なる意志の銜《くつわ》に堪《た》へかねて、己を罪しつゝ、己がすべての子孫を罪せり 二五―二七
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