l々血を流し、市その平安を失へり
一三九―一四一
【人の勸】ドナーティ家の一婦人己が娘をブオンデルモンテに嫁《とつ》がせんとて破約をこれに勸めしをいふ
一四二―一四四
【神汝を】汝もしエーマ川に溺死してフィレンツェに入來らざりせば
【エーマ】ヴァル・ディ・グレーヴェなる小川の名。モンテブオーニよりフィレンツェに來るものこの川を過ぐ但しモンテブオーニの沒落は一一三五年にて、ブオンデルモンテの殺害は一二一五年の事なれば、一四〇行のブオンデルモンテは破約者を指せるに非ずしてその家族を指せるもの、また「汝はじめて」といへるはこの家族(即ち被害者の父祖)がはじめてフィレンツェに移り來れるをいへるならむ
一四五―一四七
【缺石】破損したるマルチの像にてポンテ・ヴェッキオの一端にありしもの(地、一三・一四五―七註參照)。ブオンデルモンテの殺されし處は即ちこの像の下なりき、故に被害者を指してマルテの牲《いけにへ》といへり
一五一―一五三
【百合】フィレンツェの旗(一五四行註參照)
【倒に】中古敵の旗を奪ふ時は竿を倒さにして戰場を引※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]し侮蔑の意を示す例ありきといふ
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