を見き、さればわが視力《みるちから》これに勝たれで背《うしろ》を見せ 一三九―一四一
我は目を垂《た》れつゝ殆ど我を失へり。 一四二―一四四
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第五曲
われ世に比類《たぐひ》なきまで愛の焔に輝きつゝ汝にあらはれ、汝の目の力に勝つとも 一―三
こは全き視力――その認むるに從つて、認めし善に進み入る――より出づるがゆゑにあやしむなかれ 四―六
われあきらかに知る、見らるゝのみにてたえず愛を燃す永遠《とこしへ》の光、はや汝の智の中にかゞやくを 七―九
もし他の物汝等の愛を迷はさば、こはかの光の名殘がその中に映《さ》し入りて見誤らるゝによるのみ 一〇―一二
汝の知らんと欲するは、果《はた》されざりし誓ひをば人他の務《つとめ》によりて償《つぐの》ひ、魂をして論爭《あらそひ》を免《まぬが》れしむるをうるや否《いな》やといふ事是なり。 一三―一五
ベアトリーチェはかくこの曲《カント》をうたひいで、言葉を斷《た》たざる人のごとく、聖なる教へを續けていふ。 一六―一八
それ神がその裕《ゆたか》なる恩惠《めぐみ》により造りて與へ給へる物にて最もその徳に適《かな》ひかつその最も重んじ
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