登り、また死の世界にくだれる間に 一九―二一
わが將來《ゆくすゑ》の事につきて諸※[#二の字点、1−2−22]のいたましき言《ことば》を聞きたり、但し命運我を撃《う》つとも我よく自らとれに堪《た》ふるをうるを覺ゆ 二二―二四
是故にいかなる災《わざはひ》のわが身に迫《せま》るやを聞かばわが願ひ滿《み》つべし、これ豫《あらかじ》め見ゆる矢はその中る力弱ければなり。 二五―二七
さきに我に物言へる光にむかひて我かくいひ、ベアトリーチェの望むごとくわが願ひを明《あか》したり 二八―三〇
諸※[#二の字点、1−2−22]の罪を取去る神の羔《こひつじ》未だ殺されざりし昔、愚《おろか》なる民を惑《まど》はしゝその語《ことば》の如く朧《おぼろ》ならず 三一―三三
明らかにいひ定かに語りてかの父の愛、己が微笑《ほゝゑみ》の中に隱れかつ顯《あら》はれつゝ、答ふらく 三四―三六
それ苟且《かりそめ》の事即ち汝等の物質の書《ふみ》より外に延びざる事はみな永遠《とこしへ》の目に映ず 三七―三九
されど映ずるが爲にこの事必ず起るにあらず、船流れを下りゆけどもそのうつる目の然らしむるにあらざるに似たり 四〇―四二
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