がな》ひえたる聖徒達
四―六
【殘の一軍】天使達
【ものゝ】神の榮光と威徳とを
七―九
【ところ】巣。即ち働きてえたるものを甘き蜜となすところ
一〇―一二
【愛】神
一三―一五
註釋者或ひは曰く。この三の色は愛、智、純の表象なりと
一六―一八
諸天使花の中に降り、神より得たる平和と愛とを聖徒達に傳ふ
【脇を扇ぎて】翼を動かして、即ち神の御許《みもと》に飛行きて
一九―二一
【上なる物】神の寶座《みくらゐ》
【目も輝も】目(薔薇の中にある者の)が輝(神の)を見ることも輝が目に達することも
二二―二四
【神の光】神の光はいたらぬくまなし、たゞ多く受くるに足るもの多くこれを受け、然らざるもの少しくこれを受くるのみ(天、一・一以下參照)
【何物も】是故に天使達も
二五―二七
【舊き民新しき民】舊約新約兩時代の民
【一の目標】神
二八―三〇
【星】光。航海者の目標なる星に因みて(パッセリーニ)
【三重の光】一にして三なる神の光
【嵐を】天上の平安より思を地上の不安に致して神の祐助を祈るなり
三一―三三
【エリーチェ】カリスト。アルテミスに事《つか》へしニムフ(淨、二五・一三一並びに註參照)、化して宿星となる。こゝにては大熊星を指す
【愛兒】カリストの子アルカス、同じく化して宿星となる。こゝにては小熊星を指す
【方】逢か北の方、即ち大熊星の下に當る地方
三四―三六
【いかめしき業】宏大なる建築物等
【ラテラーノ】ローマの昔の皇居、但し一般にローマを代表す。皇居の莊麗他に類《たぐひ》なき頃といふはなほローマの全盛時代といふ如し
四三―四五
【誓願】その神殿に詣でんとの
四六―四八
【生くる光】天上の薔薇の
四九―五一
【微笑】喜びの光
【愛の勸むる】愛の現はるゝ(カーシーニ)。この句を「愛に誘ふ」即ち他の者を愛に導く意となす人あり
五八―六〇
【一人の翁】聖ベルナルドゥス(一〇九一―一一五三年)。フランス、ブルグンティーなるフォンティーヌに生れ、パリに學び、シトーの僧院に入り(一一一三年)、後多くの僧院をクレールヴォーに建設してこれが首僧たり、聖母を愛すること極めて深し、その著作に『デ・コンシデラチオネ』あり
聖ベルナルドゥスは默想を表示す、人默想によりて神恩を受け最もよく神を視るにいたるが故にベルナルドゥス淑女に代りてダンテに三一の微妙をうかゞふをえしむ、その聖母を深く愛することもまた詩人の最後の導者となれる一理由なり(ムーア『ダンテ研究』第二卷六二頁參照)
【榮光の民の如く】白し(天、三〇・一二九參照)
六四―六六
【彼何處に】名をいはず、情迫ればなり
六七―六九
【第三】第一列に聖母、第二列にエヴァ、第三列にラケルとベアトリーチェ(天、三二・四以下參照)
七〇―七二
【永遠の光】神の光ベアトリーチェに注ぎ、反映《てりかへ》してその冠となりゐたり。聖書に見ゆる輪《わ》後光は即ち受福者の福祉の象徴
七三―七八
人間の眼千尋の海の底深く沈みてその處より仰ぎ見ることありとも、その眼と地上の大氣の最《いと》高き處との間の距離は、わが目とベアトリーチェとの間の距離に及ばじ、されど我善く彼の姿を見たり、これかしこにては人が地上にて物を見る時の如く空氣や水などの物體を透して見るにあらですべて直觀によるが故に視力一切の距離に超越すればなり
【沈む】s'abbandona 沈むに任《まか》す意
七九―八一
以下九〇行まで、ダンテがベアトリーチェに語れる最後の詞にて、彼のこの淑女に對する愛と感謝と願ひとを言現はせるもの
【地獄に】地獄のリムボに(地、二・五二以下)
八二―八四
【見し】三界の歴程において
【思惠と強さ】我をしてかく視ることをえしめし神恩と力。これらの物はわが功徳より生るゝならで汝の力汝の徳よりいづ
八五―八七
【奴僕の役】罪の束縛
【自由】靈の
八八―九〇
【賜】即ち眞の自由
九一―九三
【永遠の泉】生命の泉、福の源なる神
九四―九六
【願ひと聖なる愛】ベアトリーチェのベルナルドゥスに請ひしことゝ淑女のダンテに對する愛
九七―九九
【園】聖徒の群(天、二三・七一參照)
【神の光を】神恩の光を傳ひて遂に神を見るをうべし
一〇〇―一〇二
【天の女王】聖母マリア
一〇三―一〇五
【わが】わがイタリアなる
【ヴェロニカ】Veronica(眞の像の義)。キリストの容貌を寫しとゞめし汗巾《あせふき》
傳説に曰く。キリスト十字架につけられんとてカルヴァーリにいたり給ふ、途に一婦人(或ひは曰く、ヴェロニカはこの婦人の名と)あり、主にその汗を拭はん爲汗巾を捧ぐ、主拭ひ終りて返し給へば聖顏まさしくその汗巾に寫りゐたりと。この汗巾はローマなる聖ピエートロの寺院に保存せられ(今も然り)たれば人々これを見んとて四方よりかの寺院に詣できといふ
【クロアツィア】今、ユー
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