tutta を全部の意に非ずして巨細にの意なりとす
一五四
【美しき目】ベアトリーチェの
第二十三曲
ダンテ第八天にてキリストの凱旋を見る
一〇―一二
【ところ】正午の太陽のある處に當る天。太陽子午線を過ぐる時はその運行特に遲しと見ゆ(淨、三三・一〇三―五並びに註參照)
一三―一五
【願ひに物を求め】切に或物を得んと願ひ、未だ得ざれど、得るの望み充分なればその望みにて滿足する人の如く
一九―二一
【凱旋の軍】キリストの血によりて救はれし聖徒等
【一切の實】キリストの凱旋に列る諸聖徒は、諸天の善き影響をうけ(「これらの球の※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]轉によりて」)て徳に進み救ひを得るにいたれる者なればこの影響の果《み》に當る
二五―二七
【トリヴィア】月。ディアナ(月)の異名
【ニンフェ】諸※[#二の字点、1−2−22]の星(淨、三一・一〇六參照)
二八―三〇
【燈火】諸聖徒
【日輪】キリスト
【わが日輪の】星は皆太陽の光をうけて輝く(天、二〇・四―六並びに註參照)
【星】viste superne(上方に見ゆる物)
三一―三三
【光る者】キリスト
【その生くる光】己の射放つ強き光
三四―三六
【防ぐに術なき】いかなる目もよくこれに堪ふるをえざる力なり。神の力は萬物に勝つ
三七―三九
【天地の間の路】人が天に登るの路
【いと久しく】淨、一〇・三四―六並びに註參照
【知者と力】神の力神の知惠なるキリスト(コリント前、一・二四參照)
四〇―四二
【火】電光
【性】火炎界に向つて昇るべき本來の性質(天、一・一三〇―三五參照)
四三―四五
わが心は天上の歡樂の爲にひろがりて己(心)を離れ(法悦の爲に意識を失ひ)たればその當時の心の状態を心自ら記憶せず
四六―四八
ベアトリーチェの笑顏を見るをえざりしダンテも(天、二一・四以下參照)、キリストの凱旋を見るに及びて視力増し、これを視るをうるにいたれり
四九―五四
【書】記憶の書《ふみ》
【忘れし夢】四七行の「諸※[#二の字点、1−2−22]の物」に當る。心に殘る印象(喜びや悲しみの)によりて夢の何なりしやを思ひ浮べんとすれども能はざる(天、三三・五八―六〇參照)人の如く、ダンテは心の悦びを辿りてかの凱旋軍の偉觀を思ひ浮べんとせしかど能はざりき
五五―五七
【ポリンニア】ムーサイの一にて聖詩を司る神
(姉妹達】他の八柱の神々
【乳】淨、二二・一〇一―二にホメロスを指して「ムーゼより最も多く乳を吸ひしギリシア人」といへり
【諸※[#二の字点、1−2−22]の舌今】詩人等悉くその歌をもて今我を助くとも
五八―六〇
【聖なる姿】ベアトリーチェ自身の
この項異本に「そをいかばかり聖なる姿(即ちキリストの)の燦かにせしやを」とあり
六一―六三
天堂を敍するにあたり、言葉の及ぶ能はざる事物を省略して筆を進むることあたかも行人が小川や溝のその道を横切るを見これを跳越えて進み行く如し
【聖なる詩】材を聖なる事物に取れる詩
六七―六九
船は才なり、海路は詩材なり、これをわけゆくは歌ふなり(天、二・一―七參照)
七〇―七二
【園】聖徒の群
七三―七五
【薔薇】聖母マリア。寺院の祈祷文に聖母を指して Rosa mystica(奇《く》しき薔薇)といへり
【神の言】キリスト(ヨハネ、一・一四)
【百合】使徒達。即ち自ら例を示し福音を宣傳して人を正道に導ける者
七六―七八
【弱き眼の戰】弱き視力をもて強き光を視ること
七九―八一
【陰】雲の投ぐる。身陰にあるがゆゑに日は見えねどその光に照さるゝ處見ゆ
八二―八四
【本】キリスト
八五―八七
【印影を捺す】光を注ぐ
【慈愛の力】キリスト
【力足らざる目に】ダンテの視力猶足らずして未だキリストを見るをえざれば、キリスト自ら高く昇りてたゞその光の聖徒を照らすさまを見しむ
八八―九〇
【花】薔薇(七三行)
【生くる星】強く輝く星即ちマリア
【質と量】光の燦かさと大きさ
九四―九六
【燈火】天使ガブリエル。神子の降臨を告げ知らせんとてマリアの許に來れる天使なれば(淨、一〇・三四以下參照)。今また聖母の周圍《まはり》をめぐりて歌ふなり
九七―一〇二
【琴】ガブリエル
【天】エムピレオの天
【碧玉】マリア
【裂けて】電光の爲に
一〇三―一〇五
以下一〇八行までガブリエルの歌
【天使の愛】愛に燃ゆる天使
【われらの願ひ】われらの願ひの目的《めあて》なるキリスト
【胎よりいづる】たふとき悦びの出づるところなる胎のまはりをめぐる
一〇六―一〇八
【至高球】エムピレオ
一一二―一一四
以下、マリアはキリストのあとよりエムピレオに歸りてダンテの目にかくれ、殘れる聖徒達は聖母に對する愛を顯はしかつ調《しらべ》妙《たへ》に聖母頌を歌へるを敍す
【諸天】volumi(圓ま
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