j。第一十字軍の指揮者として名高し
【ルベルト・グイスカールド】(一〇八五年死)、プーリア及びカーラブリアの君となりてサラセン人を逐へる者(地、二八・一三―八註參照)
四九―五一
【我に示せり】カッチアグイーダはこの時他の諸靈に加はりて歌ひいでたればなり
五二―五四
【言または】ベアトリーチェがその言葉または身振によりて、わが爲すべき事を我に示すならむと思ひて
五五―五七
【最終の時】七行以下にいへる
六一―六三
ベアトリーチェの美を増すを見て我等がさらに高き天に達せることを知り得たり
昇れるを昇ることによりて知るならずその結果として淑女の美の増すによりて知る、なほ徳の進むを進むことによりて知るならずその結果として喜びの増すによりて知るごとし
【天とともに】諸天は皆たえず※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]轉す、故にダンテはその一にとゞまる間、これとともに※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]《めぐ》るなり
【弧】天は高きに從つて大なり、故に木星天は火星天よりもそのゑがく弧大なり
六四―六六
羞恥の爲赤くなりたる女の顏が、その念消ゆるとともに元の白色に返るごとく
六七―六九
【わが見るもの】火星の赤色より木星の白色に移りたれば
【温和なる】火星の熱さと土星の寒さとを、この二星の間にありて和らぐるが故にかく言へり(『コンヴィヴィオ』二・一四・一九四以下參照)
七〇―七二
【ジョーヴェの燈火】木星
【愛の煌】愛の光を放つ諸聖徒
【われらの言語】我等の用ゐる文字
七三―七五
【己が食物を】岸より立てる群鳥が、食物あるを見て、互に祝しあふごとく歌ひつゝ、相連りて
七六―七八
【忽ちD】九一―三行參照
八二―八四
【ペガーゼア】ムーサ。但し一をもて凡ての詩神を代表せしめしものなるか或ひは特にその一(多くの註釋者はカルリオペを指せりとす)を指していへるか明ならず
ペガソスといへる馬ムーサイに屬し、かつヒッポクレネの泉(ムーサの山エリコナにあり)はこの馬の蹄の跡なりとの傳説に因みてムーサをペガーゼーと呼ぶにいたれり
【その生命を長うす】これに不朽の名をえしむ
【才が】才は汝の助けにより諸國諸邑の事を歌ひてかれらの名を永く後の世に傳ふ
八五―八七
【彼等の象】諸※[#二の字点、1−2−22]の聖徒の相連りて造れる象《かたち》
【短き】句數に限りあれば
八八―九〇
【一部一部を】象の變化するにつれ、文字重なりて音となり音加はりて語《ことば》となるを
九一―九三
【Diligite iustitiam, etc.】地を審判《さば》く者等よ、正義を愛せよ(『經外典』智慧一・一)
九四―九六
【M】この文字に特殊の寓意あるか、或ひは單に最後の文字にてかつ鷲の形を顯はすに便なればとてこれを選べるか明らかならず
寓意説にてはこれを mondo(世界)の第一字なりとも、または monarchia(帝國)のそれなりともいふ
【金にて】諸靈は金の如く輝き、木星は銀の如く光れり
九七―九九
【頂】ダンテ時代に用ゐしM字即ちゴシック形の首字は、一縱線の頂より二線彎曲して左右に垂れしものなりき
【降り】エムピレオの天より
【善】神。かの光(諸靈)をしてその心を神に向はしむ
一〇〇―一〇二
【占をなす】古註曰く。人爐邊にて薪の燃えさしを打ち、火花の出づるを見て、これぞわが羔わが仔豚わが金貨の數なるなどいひて樂しむ習ありきと
一〇三―一〇五
【かしこより】かの頂より
【日輪】神
一〇六―一〇八
【鷲】淨、三二・一一二にジョーヴェ(ゼウス)(ジョーヴェ及び木星の兩意に通ず)の鳥といへるもの。鷲はローマ帝國の旗章にて、ダンテの治國説に從ひ、地上に行はるべき正義を代表す
一〇九―一一一
かの鷲の象《かたち》を畫けるものは神なり、神は畫き給ふに當りて何をも模範とし給はじ、模範となる物あらざればなり、否自然は皆神に導かれその模範に從つて諸物を整ふ、されば自然の有する形成の力はすべて神に歸せざるをえじ帝國の制度の神意にもとづくものなる事を示さんとて特にかく言へるなるべし
【巣を作る】自然の中なる創造の力を、鳥が巣を造る例にて言現はせるならむ。鳥は自然にその巣を造る智を有す、而してこの智また神より出づ。特に巣を擧げしは鷲に因みてなり
一一二―一一四
さきにM《エムメ》の文字を顯はしゐたる聖徒等は少しく位置を變へしのみにて鷲の形を造り終れり
【百合となり】Mは中古の紋章に用ゐし百合の花形に似たればかく言ふ。「エムメにて百合となる」とはエムメの文字をゑがきて百合の形を成しゐたる意
【印象を】鷲全體の形を。エムメの中央の縱線は身、左右の屈線は翼なり、これに一〇三―八行の首と頸とを加ふれば紋章状の一羽の鷲となる
一一五―一一七
【星】木星
【汝の飾る天】汝木星を飾の寶石とする第六天
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