Eダンジュー一世の妻となりし(淨、七・一二七―九註參照)者の後見となり、一二五〇年プロヴァンスに死す。されどダンテ時代の傳説(特にヴィルラーニの記録)によればロミューは生れ賤しき一巡禮者なり、彼レーモン伯の徳を傳聞してこれに事へその擢拔を受けて財政を整理し他の收入大いに増加す、彼また伯の四人の女をして悉く王妃とならしめ誠心誠意その主の爲を謀れるもプロヴァンスの貴族等の讒にあひて伯の許を去る、而して何人もその行方《ゆくへ》を知らずと
ロミューが何故に水星天にあるやは明かならず、スカルタッツィニは謙讓による功名家(umili ambiziosi)の一例なるべしといへり
一三〇―一三二
【笑】ロミューを陷るゝも何等利する所なきをいふ、プロヴァンスは温和なるレーモンの手より苛酷なるシャルル・ダンジュー一家の手に移りたればなり(淨、二〇・六一以下並びに註參照)
【他人の】或は、「他人の善行を己が禍ひに轉ずる(人の善行を見妬み誹りて自ら罪に陷る)者は」
一三三―一三五
【王妃】長女マルグリットはフランス王ルイ九世に、次女エレオノールはイギリス王ヘンリー三世に、三女サンシヤは同ヘンリーの兄弟にてローマ人の王となれるリチャードに、末女ベアトリスはシャルル・ダンジュー一世に嫁す
【賤しき】或は、「謙讓の」
【放客】註釋者曰。romeo は巡禮者特にローマへの巡禮者の意なれば、このロメオを巡禮者となすの説出でしなりと(岩波文庫版ダンテ『新生』一〇〇頁參照)
一三六―一三八
讒者の言によりてロミューの誠實を疑ひ、收支の決算を求む、しかるに決算に及びその資産のかへつて膨脹しゐたるを知れり
一四二
【ほむべし】衣食の爲に志を屈せず逆境に處して亂れざる。ダンテが自己の境遇にひきくらべ、ユスティニアヌスの口を藉りてかくいへることいふまでもなし
第七曲
ユスティニアヌスの靈去りて後、ベアトリーチェはダンテの爲に、キリストの死、十字架の贖、及び靈魂の不滅を論ず
一―三
【オザンナ】神を讚美する語
【火】諸天使及び諸聖徒
四―六
【二重の光】神の光と己が光(一―三行)。或ひは曰、皇帝と立法者との光を指すと
【聖者】sustanza(主要の本質即ち靈)、ユスティニアヌスの靈を指す
一〇―一二
【甘き雫】眞理の滴
一三―一五
されどたゞ淑女の名の一部を聞きてさへわが心に湧く畏敬の念はわが頭《
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