xアトリーチェを離れしに及ばじ、されど是我に係《かゝはり》なかりき、そはその姿|間《あひだ》に混《まじ》る物なくしてわが許《もと》に下りたればなり 七六―七八
あゝわが望みを強うする者、わが救ひのために忍びて己が足跡《あしあと》を地獄に殘すにいたれる淑女よ 七九―八一
わが見しすべての物につき、我は恩惠《めぐみ》と強さとを汝の力汝の徳よりいづと認む 八二―八四
汝は適《ふさ》はしき道と方法《てだて》とを盡し、我を奴僕《ぬぼく》の役《つとめ》より引きてしかして自由に就かしめぬ 八五―八七
汝の癒《いや》しゝわが魂が汝の意《こゝろ》にかなふさまにて肉體より解かるゝことをえんため、願はくは汝の賜をわが衷《うち》に護《まも》れ。 八八―九〇
我かく請《こ》へり、また淑女は、かのごとく遠しと見ゆる處にてほゝゑみて我を視《み》、その後|永遠《とこしへ》の泉にむかへり 九一―九三
聖なる翁曰ふ。汝の覊旅《たびぢ》を全うせんため(願ひと聖なる愛とはこのために我を遣《つか》はしゝなりき) 九四―九六
目を遍《あまね》くこの園の上に馳《は》せよ、これを見ば汝の視力は、神の光を分けていよ/\遠く上《のぼ》るをうるべければなり 九七―九九
またわが全く燃えつゝ愛する天の女王、われらに一切の恩惠《めぐみ》を與へむ、我は即ち彼に忠なるベルナルドなるによりてなり。 一〇〇―一〇二
わがヴェロニカを見んとて例《たと》へばクロアツィアより人の來ることあらんに、久しく傳へ聞きゐたるため、その人|飽《あ》くことを知らず 一〇三―一〇五
これが示さるゝ間、心の中にていはむ、わが主ゼス・クリスト眞神《まことのかみ》よ、さてはかゝる御姿《おんすがた》にてましましゝかと 一〇六―一〇八
現世《このよ》にて默想のうちにかの平安を味へる者の生くる愛を見しとき、我またかゝる人に似たりき 一〇九―一一一
彼曰ふ。恩惠《めぐみ》の子よ、目を低うして底にのみ注ぎなば、汝この法悦の状《さま》を知るをえじ 一一二―一一四
されば諸※[#二の字点、1−2−22]の圈を望みてそのいと遠きものに及べ、この王國の從ひ事へまつる女王の、坐せるを見るにいたるまで。 一一五―一一七
われ目を擧げぬ、しかしてたとへば朝《あした》には天涯の東の方《かた》が、日の傾く方にまさるごとく 一一八―一二〇
我は目にて(溪より山は行くかとばかり)縁《ふち
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