めずば、汝ベアトリーチェを見るべし、さらば彼は汝のために全くこれらの疑ひを解かむ 七六―七八
今はたゞ、痛みの爲にふさがる五の傷《きず》の、とくかの二のごとく消ゆるにいたる途を求めよ。 七九―八一
我はこのとき我よくさとるといはんとおもひしかど、わがすでに次の圓に着けるを見しかば、目の願ひのために默《もだ》せり 八二―八四
こゝにて我俄かにわが官能をはなれて一の幻《まぼろし》の中に曳かれ、多くの人を一の神殿《みや》の内にみしごとくなりき 八五―八七
母たる者のやさしさを姿にあらはせしひとりの女、入口に立ち、わが子よ、何ぞ我等にかくなしたるや 八八―九〇
見よ、汝の父と我と憂へて汝を尋ねたりといひ、いひをはりて默《もだ》せしとき、第一の異象消ゆ 九一―九三
次にまたひとりの女わが前にあらはれき、はげしき怒りより生るゝとき憂ひのしたたらす水その頬をくだれり 九四―九六
彼曰ふ。汝|實《まこと》にかゝる都――これが名について神々の間にかのごとき爭ひありき、また凡ての知識の光この處より閃《きらめ》きいづ――の君ならば 九七―九九
ピシストラートよ、我等の女《むすめ》が抱きたる不敵の腕《かひな》
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