きにおどろきて 一〇―一二
雙手《もろて》を眉のあたりに翳《かざ》し、つよきに過ぐる光を減《へ》らす一の蔽物《おほひ》をわがために造れり 一三―一五
水または鏡にあたりて光反する方に跳《は》ぬれば、くだるとおなじさまにてのぼり 一六―
その間隔《あはひ》をひとしうして垂線をはなるゝは、學理と經驗によりてしらる ―二一
我もかゝる時に似て、わが前に反映《てりかへ》す光に射らるゝごとくおぼえき、さればわが目はたゞちに逃げぬ 二二―二四
われいふ。やさしき父よ、かの物何ぞや、我これを防ぎて目を護らんとすれども益なし、またこはこなたに動くに似たり。 二五―二七
答へて我に曰ふ。天の族《やから》今なほ汝をまばゆうすとも異《あや》しむなかれ、こは人を招きて登らしめんために來れる使者《つかひ》なり 二八―三〇
これらのものをみること汝の患《うれ》へとならずして却つて自然が汝に感ずるをえさするかぎりの悦樂《たのしみ》となる時速かにいたらむ。 三一―三三
我等|福《さいはひ》なる天使の許にいたれるに、彼喜ばしき聲にていふ。汝等こゝより入るべし、さきの階《きざはし》よりははるかに易き一の階そこにあり。 三
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