コーニオは愈※[#二の字点、1−2−22]あし、今も力《つと》めてかゝる伯等《きみたち》を 一一五―
生めばなり、パガーニはその鬼去るの後よからむ、されど無垢《むく》の徴《しるし》をあとに殘すにいたらじ ―一二〇
あゝウゴリーン・デ・ファントリーンよ、汝の名は安し、そは父祖に劣りてこれを辱《はづか》しむる者いづるの憂ひなければなり 一二一―一二三
いざ往けトスカーナ人よ、われらの談話《ものがたり》いたく心を苦しめたれば、今はわれ語るよりなほはるかに泣くをよろこぶ。 一二四―一二六
我等はかの愛する魂等がわれらの足音を聞けるを知れり、されば彼等の默《もだ》すをみて路の正しきを疑はざりき 一二七―一二九
我等進みてたゞふたりとなりしとき、空を擘《つんざ》く電光《いなづま》のごとき聲前より來り 一三〇―一三二
およそ我に遇ふ者我を殺さむといひ、雲|遽《にはか》に裂くれば音《おと》細《ほそ》りてきゆる雷《いかづち》のごとく過ぐ 一三三―一三五
この聲我等の耳に休歇《やすみ》をえさせし程もなく見よまた一の聲、疾《と》く續く雷に似て高くはためき 一三六―一三八
我は石となれるアグラウロなりといふ、
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