《よりたの》みてこの新らしき路に就く、願はくは汝我等を導け、そは導く者なくば我等この内に入るをえざればなり ―一八
汝世を暖《あたゝ》め、汝その上に照る、若し故ありて妨げられずば我等は汝の光をもて常に導者となさざるべからず。 一九―二一
心進むによりて時立たず、我等かの處よりゆくこと既にこの世の一|哩《ミーリア》にあたる間におよべり 二二―二四
この時多くの靈の、愛の食卓《つくゑ》に招かんとて懇に物いひつゝこなたに飛來る音きこえぬ、されど目には見えざりき 二五―二七
飛過ぎし第一の聲は、彼等に酒なし[#「彼等に酒なし」に白丸傍点]と高らかにいひ、これをくりかへしつゝ後方《うしろ》に去れり 二八―三〇
この聲未だ遠く離れて全く聞えざるにいたらざるまに、いま一つの聲、我はオレステなりと叫びて過行き、これまた止まらず 三一―三三
我曰ふ。あゝ父よ、こは何の聲なりや。かく問へる時しもあれ、見よ第三の聲、汝等を虐《しひた》げし者を愛せといふ 三四―三六
この時善き師。この圈|嫉妬《ねたみ》の罪をむちうつ、このゆゑに鞭《むち》の紐愛より採《と》らる 三七―三九
銜《くつわ》は必ず響きを異にす、我の
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