とりと、碎けし光とを目守《まも》るをみたり 七―九
師曰ふ。汝何ぞ心ひかれて行くことおそきや、彼等の私語《さゝやき》汝と何の係《かゝはり》あらんや 一〇―一二
我につきて來れ、斯民《このたみ》をその言ふに任《まか》せよ、風吹くとも頂《いただき》搖《ゆる》がざるつよき櫓《やぐら》の如く立つべし 一三―一五
そは思ひ湧き出でて思ひに加はることあれば、後の思ひ先の思ひの力をよわめ、人その目的《めあて》に遠ざかる習ひなればなり。 一六―一八
我行かんといふの外また何の答へかあるべき、人にしば/\赦《ゆるし》をえしむる色をうかめてわれ斯くいへり 一九―二一
かゝる間に、山の腰にそひ、横方《よこあひ》より、かはる/″\憐れみたまへ[#「憐れみたまへ」に白丸傍点]を歌ひつゝ、我等のすこしく前に來れる民ありき 二二―二四
彼等光のわが身に遮《さへぎ》らるゝをみしとき、そのうたへる歌を長き嗄れたるあゝに變へたり 二五―二七
しかしてそのうちより使者《つかひ》とみゆるものふたり、こなたにはせ來り、我等にこひていふ。汝等いかなるものなりや我等に告げよ。 二八―三〇
わが師。汝等たちかへり、汝等を遣はせるもの
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