し夫れ然らばいかなる日またはいかなる燭《ともしび》ぞや、汝がその後かの漁者に從ひて帆を揚ぐるにいたれるばかりに汝の闇を破りしは。 六一―六三
彼曰ふ。汝まづ我をパルナーゾの方《かた》にみちびきてその窟《いはや》に水を掬《むす》ぶをえしめ、後また我を照して神のみもとに向はしめたり 六四―六六
汝の爲すところはあたかも夜|燈火《ともしび》を己が後《うしろ》に携へてゆき、自ら益を得ざれどもあとなる人々をさとくする者に似たりき 六七―六九
そは汝のいへる詞に、世改まり義と人の古歸り新しき族《やから》天より降るとあればなり 七〇―七二
我は汝によりて詩人となり汝によりて基督教徒《クリスティアーノ》となれり、されどわが概略《おほよそ》に畫《ゑが》ける物を尚良く汝に現はさんため我今手を伸《の》べて彩色《いろど》らん 七三―七五
眞《まこと》の信仰は永久《とこしへ》の國の使者等《つかひたち》に播かれてすでにあまねく世に滿ちたりしに 七六―七八
わが今引ける汝の言《ことば》、新しき道を傳ふる者とその調《しらべ》を同じうせしかば、彼等を訪《おとづ》るることわが習ひとなり 七九―八一
かのドミチアーンが彼等
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