を爲しがたし 一〇三―一〇五
そは笑《ゑみ》も涙もまづその源なる情に從ひ、その人いよ/\誠實なればいよ/\意志に背けばなり 一〇六―一〇八
我たゞ微笑《ほゝゑ》めるのみ、されどその状《さま》※[#「目+旬」、第3水準1−88−80]《めくばせ》する人に似たれば、かの魂口を噤み、心のいとよくあらはるゝ處なる目を見て 一〇九―一一一
いふ。願はくは汝|幸《さいはひ》の中にかく大いなる勞苦を終《を》ふるをえんことを、汝の顏今|笑《ゑみ》の閃《ひらめき》を我に見せしは何故ぞや。 一一二―一一四
我今左右に檢束をうく、かなたは我に默《もだ》せといひ、こなたは我にいへと命ず、是に於てか大息すれば 一一五―
わが師さとりて我に曰ふ。汝語るをおそるゝなかれ、語りて彼にそのかく心をこめて尋ぬるところの事を告ぐべし。 ―一二〇
是に於てか我。年へし靈よ、思ふに汝はわがほゝゑめるをあやしむならむ、されど我汝の驚きをさらに大いならしめんとす 一二一―一二三
わが目を導いて高きに到らしむるこの者こそは、かのヴィルジリオ、人と神々をうたふにあたりて汝に力を與へし者なれ 一二四―一二六
若しわが笑《ゑみ》の原因《も
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