びと》等バッコの助けを求むることあれば、イスメーノとアーソポがそのかみ夜その岸邊《きしべ》に見しごとき狂熱と雜沓とを 九一―九三
我はかの民に見きとおぼえぬ、彼等は善き願ひと正しき愛に御せられつゝかの圓に沿ひてその歩履《あゆみ》を曲ぐ 九四―九六
かの大いなる群《むれ》こと/″\く走り進めるをもて、彼等たゞちに我等の許に來れり、さきの二者《ふたり》泣きつゝ叫びていひけるは。 九七―九九
マリアはいそぎて山にはせゆけり。また。チェーザレはイレルダを服《したが》へんとて、マルシリアを刺しし後イスパニアに走れり。 一〇〇―一〇二
衆つゞいてさけびていふ。とく來れとく、愛の少なきために時を失ふなかれ、善行《よきおこなひ》をつとめて求めて恩惠《めぐみ》を新たならしめよ。 一〇三―一〇五
あゝ善を行ふにあたりて微温《ぬるみ》のためにあらはせし怠惰《おこたり》と等閑《なほざり》を恐らくは今強き熱にて償ふ民よ 一〇六―一〇八
この生くる者(我決して汝等を欺かず)登り行かんとてたゞ日の再び輝くを待つ、されば請ふ徑《こみち》に近きはいづ方なりや我等に告げよ。 一〇九―一一一
是わが導者の詞なりき、かの靈の
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