齊O二
【汝の分】地、一九・一〇〇―一〇二參照
一三三―一三五
默示録、一九・一〇參照
一三六―一三八
【また嫁せず】或問ひに答へて甦る者は嫁娶せずといへるキリストの言(マタイ、二二・三〇等)。寺院は淑女法王はその夫なり(地、一九・五五―七及び同一〇六―八註參照)、されどかゝる關係は現世にのみありて後世《ごせ》になし故に昔法王なりきとて我今何ぞ殊更に敬をうくるに足らむ
一三九―一四一
【ところのもの】即ち神に歸るにあたりて缺くべからざるところのもの(九一―三行)
一四二―一四四
【アラージヤ】ハドリアヌス五世の姪にてルーニジアーナの猛將モロエルロ・マラスピーナ(地、二四・一四五―七註參照)の妻となれるもの。古註に曰、ダンテは一三〇六年マラスピーナ家に客たりしときこの女を見かつその多くの善行を知れりと
【わが族】原、我等の家。フィエースキ一家
一四五
わが近親の中にはアラージャの外に善人なければ汝彼女に請ひてわがために天に祈らしめよ
第二十曲
ダンテ、ウェルギリウスとともに山側に沿ひて進み清貧と慈善の例を聞く、ユーグ・カペーの靈第五圈にありてダンテとかたり己が子孫の罪業をのべかつその夜の間に誦《ず》すべき貪慾の罰の例を告ぐ、詩人等さらに前進すれば全山こゝに鳴動して頌詠の聲四方に起る
一―三
一の意[#「一の意」に白丸傍点]は法王ハドリアヌス五世となほも語らんと欲するダンテの願ひ、まさる意[#「まさる意」に白丸傍点]はダンテに妨げられずして罪を淨めんと欲する法王の願ひにあたる
四―六
【障礙なき】地に伏しゐて路の妨げとなる魂なき
七―九
【縁】第四圈に界する斷崖
一〇―一二
【牝の狼】貪婪(地、一・四九以下參照)。始祖の昔より故にありし罪(地、一・一一一參照)なれば年へし[#「年へし」に白丸傍点]といふ
一三―一五
【人或ひは】地上の事物の變遷するを諸天の運行に基因すとなす(淨、一六・六一以下參照)
【逐ふ者】獵犬(地、一・一〇〇以下參照)
一九―二四
清貧任慈の第一例、聖母マリア
【客舍】厩。聖母キリストをこゝに生みて馬槽《かひをけ》の中に臥さしむ(ルカ、二・四以下)
二五―二七
第二例、ガイウス・ファーブリキウス・ルスキヌス。紀元前二八二年ローマのコンスルとなりサンニタ人と和を議するにあたりてその賄賂を却く、ファーブリキウス死して餘財なく市民公金を以てその埋葬の費を辨ぜりといふ、ダンテの彼を賞せる詞他の著作にもいづ(『コンヴィヴィオ』四、五・一〇七以下及び『デ・モナルキア』二、五・九〇以下參照)
三一―三三
第三例、ニコラウス(ニッコロ)。聖ニコラウスはミーラ(小アジアのリキアにあり)の僧正なり、傳へ曰ふ、嘗て人あり貧困のためにその三人の女を賣らんとす、ニコラウスこれを聞きてひそかに財嚢をその家の窓より投げ入れかの女子等なして汚辱の生涯を免れしむと
三七―三九
【報酬】かの靈のために世の善人の祈りを請ふこと
四〇―四二
【慰】善人の祈り。そのこれを望まざるは子孫に善人なければなるべし
四三―四五
フランスのカペー王家(惡き木)の祖先(根)なるを告げしなり、このカペー家は一三〇〇年にフランス、ナポリ、イスパニアの諸國を治めき
四六―四八
されどフランドル人にして若し充分の力あらば速かに仇をわが子孫にむくいむ
ドアジォ、リルラ等はフランドルの主なる町の名なり、こゝにてはフランドル全體を代表す
一三〇二年クルトレイの戰ひにフランドル人大いにフランス軍を破りてこれを國外に逐ひ以てフランス王フィリップ四世の奪略に報いたり
四九―五一
【ウーゴ・チャペッタ】ユーグ・カペ―。フランスのユーグ公の子なり、九八七年ルイ五世の後を承けてフランス王となり九九六年に死す
【フィリッピとルイージ】フィリップ一世、二世、三世、四世。ルイ(ルイージ)六世、七世、八世、九世(以上一三〇〇年までにフランス王となれるもの)
五二―五四
【屠戸の子】或ひは、牛商の子。訛傳に基づく
註釋者のいふごとくダンテはユーグ・カペーとその父ユーグとを混じ、當時の俗説に從つてこれを牛商の子となせるに似たり
【昔の王達】カロリング王家の諸王。その最後の王はルイ五世(九八七年死)なり
【灰色の衣を着る者】僧となれる者。但し何人を指せるや明かならず、恐らくはダンテの記憶の誤りならむ
ルイ五世死して嗣子なく當時カロリング家に屬する者とてはたゞその叔父、ロレーヌ公のシヤルルありしのみ、されどこのシヤルルはユーグ・カペーにとらはれて獄に下され九九二年に死せり
五五―五七
五五行より六〇行に亙る二聯もユーグ父子の事蹟の相混じたる結果なるべし
【わが手に】攝政として
五八―六〇
【わが子】ユーグ・カペーの子はロべ―ル二世といひ九九六年より一〇三一年までフランス王たり、その戴冠式
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